多くの人がもっと商売をうまくやりたいと思っているでしょう。
それには新しいビジネス理論を学ぶことも大事ですが、古来から成果が出て上手くいっている商法を学ぶことも大事であると思います。
本書は日本マクドナルドの初代会長である「藤田 田(ふじた でん)」氏が、自身がユダヤ人と接しながら学んだユダヤの商法の原理原則が書かれている。
藤田田氏の著書は他にもあります。
一通り読んでみたけど、本書が群を抜いておもしろくて為になる。
プレミア化してなかなか手に入らなくなっている「ユダヤの商法」の実践したい内容を、いくつかピックアックして紹介します。

生活の中に数字を持ち込む
ユダヤ人は普段から生活の中へ数字を持ち込んでいる。
たとえば日本人なら「今日は暑いですね」「少し寒くなってきましたね」というが、ユダヤ人は暑さ寒さも数字に換算する。
「今日は26度ですね。」「今は15度だ」というように正確に数字を読む。
数字に慣れ、数字に強くなることが、ユダヤ商法の基本であり、儲けの基本である。
女と口を狙え
「ユダヤ商法に商品はふたつしかない。それは女と口である。」
これは「ユダヤ商法5千年の公理」なのだそうだ。しかも「公理であるから証明は不要」なのだという。
ユダヤ5700年の歴史が教えるところでは、男というのは働いて金を稼いでくるものであり、女は男が稼いできた金を使って生活を成り立たせるものである。
これは、言われてみればそうで、財布を握っているのは大体が奥さんなのだから。
でも、女性商品は儲かるが、これを扱うにはある程度の才能が必要なようです。
しかし、ユダヤ商法の第二の商品である「口」は、凡人以下の才能しかない人でもできる商売である。
「口」とは、口に入れるものを取り扱う商売のことである。
ユダヤ人につぐ商才をもつといわれている華僑に、この第二の商品である「口」を扱っている人が多い。
働くために食うな、食うために働く
「人生の目的は何だと思うか」
ユダヤ人にこうたずねると、
「人生の目的は、おいしいものを心ゆくまで食べることです」
「人間は食べるために働くのさ。働くためのエネルギーをつけるために食べるのじゃないよ」
同じ質問をすれば正反対の答えが返ってくることだろう。日本人はまぎれもなく、働くために食っている民族である。
日本人も戦後の焼け野原から経済大国に成り上がったが、その動機が何かさもしいというか寂しい。
一方は働くために食べて、一方は食うために働く。
どちらも一緒の行動だけど、人生という観点から見ると、食事を楽しみながら仕事をするほうが、絶対に良いと断言できる。
差別には金で立ち向かえ
ユダヤ人は昔から世界中で差別を受けている。
しかし、白人たちも差別しているユダヤ人に頭が上がらない。
それは金で首根っこを掴まれているからだ。
藤田氏が軍で働いているときも、将校ではないユダヤ人が、日本の女を専属(オンリー)にして車を乗り回し、将校以上の贅沢な生活をしていたらしい。
ユダヤ人は昔から金貸しをしていたらしいが、それは昔から卑しい職業と言われていた金融業しかさせなかったからだ。逆にそれがユダヤ人の力を強くすることになっていったのだろう。そして、金こそが唯一の差別に対抗できる武器だというのを悟っていったのだ。
上記をとんでもなく要約すると、
- 数字でものを考え、
- 女性を対象とした商売をし、
- 食事(人生)を楽しみ、
- 差別にも対抗できる力を持つ金を稼ごう。ということ。
すぐ、実践できることは食事を楽しむこと。
自分も早食いなほうだから、できるだけ会話や味を楽しんでいきたいと思う。
本の内容は、全体的に今の時代では叩かれるような下品とも取れる表現や内容であるが、実際に日本マクドナルドをあれだけ成長させて成果を上げた人の本音と生きた知恵が満載である。
知っている人は多いと思うが、ソフトバンクの創業者である「孫正義」氏は、高校生の頃に藤田田氏に「商売をしようと思うが何が有望ですか?」と聞きにいったそうです。
藤田氏は「コンピュータ」と答えたそうです。
高校生の時分に藤田氏に話を聞きにいく孫さんの行動力や目の付け所、藤田氏の先見の明がわかるエピソードですよね。
そして、その後の孫さんはコンピュータを主体としたソフトバンクを立ち上げます。。
数あるユダヤ本の中ではまちがいなくダントツにおすすめします。
「社会貢献」や「清い夢」ばかり説くビジネス本に飽きた人はぜひ読んで欲しい。
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