本書「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」は、数多くあるストレス関連本としては、かなり新しい切り口の内容だった。
だいたいのストレス本は、「ストレスは体に悪い、だから解消しましょう。」となっている。本書の場合は「ストレスは体に悪い」と説きつつも、「しかし、ストレスは気の持ちようを変えるだけで力になる」その上でストレスを利用するためのエクササイズが紹介されている。
実践していきたいと思った、ストレスを力に変えるエクササイズをいくつかメモしておいた。
ストレスを力に変えるエクササイズ
気になった7つのエクササイズを紹介します。
自分の大切な価値観を書きだす
自分にとっていちばん大切な価値観は何かを書きだす。そしてその価値観に結びつくような活動を行ったかを日記に書く。
自分の価値観について書くことで、自分の人生に意味を見出せるようになる。それまでは、ただただガマンしてやっていた面倒なことにストレスを感じなくなる。
ストレスを避けることによって生じる代償を認識する
ストレスを避けるのは一時的によくても、のちのち後悔しやすい。ストレスを受け入れる利点は、目標に向かってがんばる力を見出し、困難であっても意味のある経験を乗り越えられること。
3つの質問に対して自分なりの答えを書きだす。
1.機会を逃す
イベントや活動などに参加する機会を逃したことでどのような代償を払ったか?
2.逃げる
ネガティブなストレス感情が湧いてくるのを避けたり、忘れたりしたい時に建設的な行動をとっているか?
3.自分の将来に限界を設ける。
もし生活にストレスが生じるのを恐れさえしなければ、経験してみたいことはあるか。それに挑戦したら生活はどのように向上するか。もし、やりたいことを諦めたらどんな代償を払うことになるのか?
不安を興奮に変える
不安を感じたときは、「興奮している印だ」と自分に言い聞かせる。
緊張しているときは無理に落ち着こうとするほうが緊張は増す。「緊張したっていいんだ。心臓がスタンバイしているんだ」と自分へアドバイスする。
1日にひとつ、誰かの役に立つ
1日にひとつだけでいいので、だれかの役に立つことをやることで、自分の体と脳は積極的によい行動を起こせるようになり、勇気や希望やつながりを実感できるようになる。
毎日同じことを繰り返すのではなく、脳はすぐに快感へ慣れてしまうため、新しい刺激を与えるようにする。
他人の苦しみを想像する
自分がなにかでストレスを感じていて辛いときに、まずはどんな考えや感情が湧きあがってくるかを感じる。「不安、痛み、怒り、失望、悲しみ」などを素直に見つめる。次に「こういう苦しみは、人間なら誰でも経験するのではないか」と考えてみる。
自分と同じように悲しんだり苦しんだりしている人を思い浮かべ、つながりを感じること。
逆行の中でもよい面をつける
強いストレスを経験したことで何か得るものはあったか?あるとすれば、自分の生活はどのようによくなったか?困難な状況に対処しようとした結果、自分に前向きな変化はあったか?
自分の「回復の物語」を書いてみる
過去のつらかった時期のことを書き、その後どのように回復して言ったかを見つける。その経験を経てどのような変化があったかを書き上げて、回復のポイントをみつける。
感想
本書はいかにストレスというものが力になるかが、しつこいくらいに書かれています。それは、ストレスに対する思い込み(マインドセット)を解除しやすくするためでしょう。
なぜなら、我々はストレスがいかに肉体的にも精神的にも悪いかは、誰に説明されずとも嫌というほど知っています。その状態ではいかにストレスは自分の力になるといわれても、信じることができません。ストレスは思い込み1つで毒にも薬にもなるものと明らかにされています。
ですから、ストレスが科学的にも自分の力に成りえることを充分に理解(マインドセットをゆるめる)して、それからエクササイズを進めるべきだと感じました。
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