本書「ない仕事の作り方」の著者は、「みうらじゅん」さん。
漫画家、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンとして幅広く活躍しています。
「マイブーム」「ゆるキャラ」の仕掛け人でもあります。
そもそも「マイブーム」とは、みうらさん個人のブームを、世の中に広めていくための造語だったそうです。
マイブームという造語は、1997年に新語流行語大賞を受賞しています。
そのような「マイブーム」や「ゆるキャラ」などに関する元々存在しない「ない仕事」を作りだし、ブームを起こす方法を「ない仕事の作り方」では紹介されています。
みうらさんが手がけているものが特殊なため、わたしのような一般人には実践するには難しいともいえる内容だと感じました。
しかし、これからの時代は特に「自分で仕事をつくる」ことが求められています。
今ある仕事もいずれなくなることもあるし、今ある仕事には競争者が大勢いるからです。
とはいっても、みうらさんは義務感から「ない仕事」をつくっているわけじゃありません。
楽しんで「ない仕事」をつくっているのです。
人生どうなるかなんてわかりませんが、ひとつはっきりしていることは、他人と同じことをしていてはダメだということです。なぜかというと、つまらないからです。みんなと同じ人気職種を目指し、同じ地位を目指すのは、競争率も高いし、しんどいじゃないですか。それよりもひとがやっていないことを見つけて、達成するほうが楽しいじゃありませんか。
以下に、マイブームのネタをみつけて、楽しみながら「ない仕事」をうみだす方法をいくつかピックアップしました。
マイナスなものをプラスにする
楽しんで仕事をしているみうらさんでもツライことに出会うことはあります。
ある時、田舎に行ったときに、間違えてバスを途中下車してしまいます。
それでバスの時刻表をみてみると、1日に数本しかバスが通りません。
なんでこんなにバスが来ないんだよ、と憤りと供に時刻表を写真に収めて、
「まるで地獄だな」
とつぶやいたことで、「地獄表」という「マイブーム」がうまれました。
それからは田舎に行くと、中々こないバスの地獄表を写真におさめているそうです。
要は発想の転換です。
マイナスのものを、名前をつけておもしろがってみると、自分の気持ちすらプラスになる。
普通な自分を否定する
みうらさんは「今は存在している」けど、誰も注目していないものに目をつけて「ない仕事」のネタを発見しています。
「ゆるキャラ」も、街の物産展に所在なさげに立ち尽くしている「マスコット」にみうらさんが注目したからです。
存在しているのに誰も注目しておらず、人が普通は「違和感がある、つまらない」と感じているものを「そこがいいんじゃない」と切り捨てないのです。
「ない仕事」を世に送り出すには「普通」では成立しません。
マイブームに名前をつける
「ない仕事」をつくりだせるマイブームをみつけたら名前をつけます。
「ゆるキャラ」を例にすると、本来はちゃんとした設定でつくったキャラクターは「ゆるい」はずがありません。
しかし、ちゃんとした設定でつくったものの、なんとも微妙で中途半端なキャラクターができあがってしまっている場合があります。。
要は「A+B=AB」ではなく、「A+B=C」となるようにします。
AかBどちらかがマイナスのもので、どちらかを打ち消すようにするようです。
最後に
みうらじゅんさんのアイデアは、人の裏を行くどころか、斜め上へ飛んでいきます。
本書ではその、他のアイデアマンでさえ見つけたり考えつかないような「アイデア」をみつけて「ない仕事」を作る方法が多数紹介されています。
ですから、本書の内容を応用してつくりだしたアイデアは、競合にほとんどおびやかされることのないアイデアになるともいえます。
「ない仕事」を作りだしたり、独創的で奇抜なアイデアを考えつきたい人には特にオススメです。
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